(幹事社)
よろしいですか。それでは、幹事社質問以外ということで、先ほど記者会見に入ってからの速報だったと思うんですけど、安倍首相が辞任の意向、体調不良のため、職務を続けられないとして、辞任の意向を示したという、速報が入りましたが、そのちょっと受けとめというか、それについてのご見解をいただければと思います。
(知事)
今日5時から首相会見がなされるということで、それを待つのが礼儀じゃないかと思います。
(幹事社)
それをじゃあ踏まえても、何か取材対応いただけるということでよろしいですか。
(知事)
今日はですね、実は、静岡県、その時間はですね、ここにおりませんで、山梨県知事とフジノミクスについて、意見交換するっていうことになっておりますものですから、残念ながらその取材を受けることができません。明日は、土曜日ですか。じゃあ月曜日ということになりますね。また、いずれにしても5時何を言われるか分かりませんのでね。
(幹事社)
それ以外というか、質問ありますか。
(幹事社)
5時の会見を待つというご見解は踏まえた上で、重々承知でくどいようで恐縮なんですけれども、健康不安説、体調不安説等々の報道がなされていた中でですね、このタイミングでの辞任の意向という一報が出ております。感染症対応の陣頭指揮を取るような、取る立場でもあるわけですし、こういう状況下での辞任、これについての改めてのご見解をお願いいたします。
(知事)
やはり気力も体力も充実してないと。いわば、防疫、疫病から国民を守るというのは、国防の三本柱の一つですから、ご本人の体力が衰えると、気力もどうしてもなえてきます。従って、的確な判断ができなくなるという可能性もあります。それがいわゆる、きちっとしたいわゆるチームワークでですね、できていれば別ですけども、やはり、安倍首相、リーダーシップをこれまで強く発揮されてきただけにですね、どなたが軍師なのかよく分からないところもあります。ですから、この時点というよりも、体力は前回の第一次安倍内閣のときも、ぎりぎりまで、耐えられたわけですね。そういう方だと思いますね、ぎりぎりまで。ともかく全力投球をしているということなのでしょう。そのぎりぎりがですね、今、来ているのかどうかということについての憶測が飛んだみたいですけども、ご本人、何としてでも、国民のためにと思ってらっしゃるに違いないのでですね、5時の会見と。また特に、安倍さんは、悲願だったのは憲法改正でしょう。これが、私が思うのに、それが周りの人たちのレベルが低すぎたというと申し訳ないけれども、的確な工程表を作ることができないでですね、トップに立って、失言をして、そこから外れたりね。その人たちが、せっかくのこの7年間もの長い間ですね、悲願だったことがもしできないとすれば、本当に気の毒だと思いますね。で、アベノミクスは、497兆円 (注1)から始まったと思いますけども、一時期、1割ぐらい伸びましたね、510兆円(注2) ぐらいまで名目GDP伸びたわけですが、今回のことで一気にですね、それ全部失われたでしょ。ですから、これも、途中で、一気に元に戻ったわけ、ということですからですね、非常に無念だと思いますね、もう今のままだと。ですから、これを支えるためにどうしていけばいいかっていうことは、自民党の方たちが、国民が全体で考えてですね、アベノミクス、全世界的にも注目されたことでありました。結果的には、貧富の格差が広がりました。一部の人たちはお金持ちになって、株価も上がりましたけれども、しかし、いわゆる何て言いますかね、貧困の子どもってのはあるじゃないですか、貧しい子ども。この人達が、日本の子どもの中で7人に1人ぐらいいるという数字が出ていますね。その7人に1人の半分くらいはですね、1人親というわけじゃないですか。だから、食べるものとか着るものとかですね、そういうものに困る人たちがいるわけですね。それが増えましたね、この間。これを全体がこの経済が上がっていきますと、それが均てんして、下の方というとおかしいですけど、貧しい人とかにも広がっていくという考えでなさっておられたんですけども、結果的には、貧富の格差が拡大したと、二極分化になったと。大金持ちとですね、貧しい人たちというのがいてですね、そしてその人たちに今、しわ寄せがこのコロナ禍で行っているということでございまして、だからこれ、やめるにやめられないでしょうね。もしその立場にあって、何としてでも救いたいと思うんじゃないですか。首相としてはね。そういう思いでいらっしゃるんじゃないかというふうに思います。私も1年、少なくともいわゆる教育再生会議、第一次安倍内閣の時の美しい国づくり委員会というところで、近くで安倍さんを知っていますので、ですからこの
体力を回復して、成し遂げたいことがいくつかあったと思いますけれども、そうしたことを思いますとですね、何とかここ奇跡的にですね、体力が回復してですね、5時の会見で、どういうこと言われるか知りませんけれども、7年間見ていますと、何をしたいかは私も分かっておりますから、そこのところは、周りの人は、支えるということを通してですね、こころざしを形にしてあげるようにするのが、友情というものではないかというふうに思います。
(記者)
今のお答えと若干かぶるかもしれないんですが、やめるやめないはとにかくとして、最長在任記録を打ち立てられた安倍首相のこの何年間の評価を改めてお伺いしたいと思います。
(知事)
アベノミクスというのは、いわゆる異次元の金融緩和、財政出動ということでですね、三本の矢ということで、華々しく、英字新聞なども私見ますけれども、何度か社説とかですね、論評にも取り上げられて、株価は上がると。景気回復しているという数字も一方であるわけです。しかしこれは、今の時点で見ると極めて厳しいと、元に戻りましたから、500兆円ぐらい。果たしてこれが、もう一度成長するかってなると。だからアベノミクスというですね、いわゆる金融を中心にした金融財政を中心にした経済対策というものの、限界が見えたというふうに私は思っております。ですから、国民経済というのは、一番大きいのはですね、一人一人の経済生活、すなわち個人消費なわけですね。そして企業の投資があります。それから我々は税金納めていますから、政府が公共企業や公共事業なんかを通して政府移転というのがあります。その中で6割近く占めているのが、個人消費なんですよ。この個人消費がですね、その買うものがないぐらい金持ちと買うこともできない貧困者に分かれているということでございまして、私は今、この厳しい経済生活の中で、個人消費を担っているのは、スーパーマーケットに行くと、ほとんどが女性です。女性なわけですね。男性もそうですけど、女性が日々の生活を担っているわけです。その人たちが幸せになるようなことを通してですね、アベノミクスの補完をするのがフジノミクスと言われているもので、アベノミクスをそういう形で発展的に継承したいと。これは、消費者を、すなわち個人消費をですね、自分の幸せに繋がるようにしていこうということで、今回の補正予算もですね、フジノミクスと言っていますけれども、これはウェルスとヘルス、これを両立させるために、またライフスタイル、この新しい生活様式に静岡県ならではの、あるいは山梨県とともにですね、一緒にできることをいうことで、フジノミクスって言ってますけど、これはもう言うまでもなくアベノミクスの補完をするという形で出してると。言い換えるとアベノミクス、これをこれ以上追求してもですね、駄目だという、それが一つの評価ですね。
それから憲法改正についてはですね、私は毎日のプレミアムに憲法改正案を出しました。何で安倍さん、それを見てくださらなかったのかなと思っております。
(記者)
富士山を象徴とするという…。
(知事)
国民と国土から日本がなるということで、国土、今、尖閣諸島辺り、あるいは昨日もですね、中国が西沙諸島かにミサイルぶっ放したとかですね、出てるじゃないですか。静岡県に、日本については尖閣諸島、あるいは竹島の問題、あるいは北方領土のこういうものは全部、国土に関わることですから、その国土についてですね、ちゃんと憲法にうたわれていないというのが問題ではありませんかということについてですね、議論がなされないと。今回の自民党さんの一部憲法担当をされた方も、元文科大臣した方ですけれども、実にひどかったですね。あの方が結局、安倍さんの足を引っ張ったんじゃないかと私は思っておりますが、そういうことで、憲法問題もですね、今、堂々と議論できるような状況でなくなっているというのもですね、この7年間のまあ帰結の一つというふうに思います。
教育改革につきましては、やはり、このオンラインなどにつきまして、今新しく変わりつつありますけども、もっと文科省の規制をですね、違う形にしないといけないというふうに思っておりまして、この間、文科大臣、今の文科大臣は一生懸命されているってわけですけど、私、学力テストで、関連した時の文科大臣は実にひどかったと思っておりまして、適材適所であったのかっていうのはありますね、内閣。一番信頼しているのは友人でしょう。その友人が本当にすぐれた能力を持ってる人だったのかどうかというのは、国民見ていますからね。その点で結果的にですね、周りの人によって足を引っ張られたという面があるかなというふうに思って気の毒に思っています。どうぞ。
(注1)493.0兆円(2012年(10月〜12月期)の名目GDP) 出典:内閣府「国民経済計算」
(注2)559.2兆円(2019年(7月〜9月期)の名目GDP) 出典:内閣府「国民経済計算」 |